聞いてください
                         我が社の信念を

力の強い大型店が郊外に進出すれば、地方スーパーが倒産、撤退と最近は短いサイクルで交代が起り、更にコンビニが進出してくる。
町の八百屋などの零細商店も高齢化しスーパーに押されて益々売上が減り、後継者もいない店が多いのです。
こうして町の八百屋などが減ってゆく。
 しかし私はこれでいいのだろうかと思うのです。
スーパーの谷間で翻弄されている商店にも結構良い面があるはずです。
 
 もし今後こうしたお店がなくなり、コンビと郊外の大型スーパーだけになってしまったらどうでしょう、それまで余り気にもかけなかった店が突然無くなったら、意外に不便になるのではないでしょうか?
もちろん食材は郊外のスーパーに行けば何でも揃うでしょう。
でも消費者はそれだけですべての満足が得られるのでしょうか。
 皆様に知っていただきたいことは、長年の経験をもつ八百屋さんは良い品を見分けることが出来るしっかりした目を持っております、野菜は意外に奥が深くて難しいのです。
 スーパーの八百屋さんはネクタイの八百屋さん。経験が違います、たかが大根一本にしても見栄えがいいだけでは駄目です、一本十円のものも百円のものもあります。
旬のものにしても八百屋の店頭ならハッキリと季節感が感じられるし、季節の食材の調理法にしても対面販売で気軽に教えてくれるでしょう勿論魚屋さんも同じだと思います。

 最近の若い人は次第に台所に包丁を置かなくなると言います。
今後の食生活は原型のままの食材が不要になり、半調理品やコンビニの調理済み食品だけで済むことになるのでしょうか、私はそうは思いません。
必ず食材として新鮮な野菜や魚などが見直され、町の八百屋も魚屋も必要とされると信じております。
それまで私達は如何にしてでも生き残らなければならないと考えております。
 
今後世の中が更に裕福になり、時間がとれるようになれば、食の考え方も変わるでしょう。
陳列棚に整然と並んだスーパーの野菜は買うのには便利かも知れませんが、季節感がありません。
八百屋の店頭に山盛りされた、見るからに新鮮なレタスやトマトなど旬の野菜、それを目のあたりにしてこそ食欲が湧き、それで作る料理こそ値打ちがありご家族の健康の為にもなるのではないでしょうか。
スーパー、コンビニ、インターネット販売と世の中便利になっても、それで全てが賄われるとは思えません。

 当店は開店以来約50数年、地域の皆さんにこれまで育てていただきました。
だからこそ、昔ながらの八百屋を今後も続けてゆこうと考えております。
勿論効率の悪い八百屋を続けることは並大抵ではありませんが、そのことが当店に課せられた使命であり、長年にわたりご贔屓にしていただいたお客様へのご恩返しであると思うのです。

最後に世の皆様にお願いがあります。
八百屋、お魚屋、お肉屋など町の食品店の良い面を生かしてご利用いただきたいと思うのです。
将来大型のスーパーだけが生き残り、独壇場となったとしたらどうなるでしょうか? 
天下の大スーパーのダイエーでさえ小さな私の店の値段を度々見にきて首をかしげておりました。
 私達の店は小回りの利く仕入れによって、結構安値の販売が出来ます。
競争によって町の八百屋さんも価格抑制の役割を果たしていることは事実です。
 旬を気にせず、利便性だけで買い物をされるのであれば仕方ありませんが、少しでも生活に潤いをとお考えでしたら、今日も日本中で頑張っている個性ある小さなお店それなりにご利用くださるようお願い致します。

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